認知行動療法で大切な事
こんにちは。
そらのいろ鍼灸院の正木です。
今日は、先日当院にお越しいただいている方から伺った、認知行動療法の成功体験をシェアしたいと思います。
そもそも、認知行動療法って?
あなたは、認知行動療法というものをご存知でしょうか?
不安障害やパニック障害などでお悩みの方達が、薬物療法以外で取り入れている代表的な治療方法として、この認知行動療法というものがあります。
私たちは普段、物の捉え方や見方を、主観で見ていますよね。
この主観的に見ている物の捉え方や見方を、「認知」と言い、不安障害やパニック障害でお悩みの方達は、ご自身の過去の出来事や経験など、何かしらの原因でこの認知が歪んでしまい、症状が出ている場合があります。
認知は、「自動思考」とも呼ばれていて、本人が意識しているしていないに関わらず、必ず頭に浮かんでくるイメージとも言えます。
例えば電車が苦手な人は、過去に電車内で倒れている人や苦しそうにしている人を見てしまったりなどの経験が、「電車=苦しい場所」という認知の歪みを生み出している場合があります。
過去に電車内で倒れている人や苦しそうにしている人を見た
↓
電車に乗ると、必ずその映像が頭をよぎる
↓
自分もなってしまったらどうしよう?と考える
↓
そう思う事で本当に苦しくなる or 「なったらどうしよう。」という思いが強くなり、電車に乗るのが怖くなる。
これは、自分自身が過去に苦しくなった経験を持っていると、なおさら強い恐怖心となって思考を支配します。
周りからは、「気にし過ぎ」「考え過ぎ」「気のせいでしょ」
などと言われてしまう事が多く、こういった周りの態度が本人をなおさら苦しめてしまう結果にもなります。
周りには理解されていないor迷惑かけたくないという思いから、なおさら「ならないようにしないと。」と恐怖心・不安感が強くなります。
この「認知」を変えて、不安感やストレスを軽減していこうというのが、認知行動療法です。
今回紹介する認知行動療法は…
認知行動療法には、色々なものがあります。例えば…
- 敢えて苦手な場所に行って、慣れる(暴露療法)
- 深呼吸をして、心身を落ち着かせる(呼吸法)
- 認知を、「いま、ここ」に集中させる(マインドフルネス療法)
などがあります。
今回、お話をしてくださった方が選んだ認知行動療法は、
「自分が苦手とする状況とその対処方法をそれぞれ書き出す」
というもの。
例えば、
- 駅の人混みが苦手→深い呼吸を意識して、立ち止まっている時はなるべく上を見ているようにする
- エレベーターなどの狭い空間が苦手→目を閉じて、楽しい事を考える
- 電車に乗るのが苦手→各駅停車に乗り、乗っている間はなるべく外の景色を見る。
などです。
この方はノートに書いて、苦手な場所にいる時にそのノートを持って自分で書いたノートを見ていたそうです。
認知行動療法で大切な事
こういった行動療法は、ネットで探すとたくさん出てきます。
心療内科に行ってすすめられる事もあると思います。
認知行動療法を行うに当たって一番大切な事は、
「自分の意志で行う」
という部分です。
「良くなりたいのは自分なんだから、自分で考えて自分で行動する。」という、強い当事者意識です。
人に言われて仕方なく…。だと、この認知行動療法の効果は思ったように現れないかもしれません。
この話をしてくれた方も、誰にも言われず、自分の意志でやる事を決めたそうです。
まとめ
紙に書いて自分の認知を変えていくという方法は、特段目新しいものではありません。
このお話をしてくれた方も、以前からネットや本などでこの方法は知っていたそうです。
でも、実際に行動に移す事はなかった。
今回の話を伺って一番感動した部分が、
「ネットで見て知ってはいたけど、実際にやってみたら本当に効くんだと思った。」
という部分です。
当事者意識を持って、実際に行動する事の大切さを教えていただきました。
あなたの辛い症状を、少しでも軽減出来るきっかけになれたら嬉しいです。
応援しています。