夜型のあなたが、朝型へ戻せない理由とは?
先日当院へ来ていただいた方から、
「夜型の生活を中々やめられない。」
というご相談を受けました。
夜中になると途端に目が冴えてずっと起きているというわけではなくて、朝どうしても起きられないというお悩みでした。
- 翌日朝早いから、夜いつもより早めに寝ようとしても眠気も来ない。
- 朝、何とか起きて小学生になる子供を送り出した後、どうしても起き続けていられずにまたお昼近くまで寝てしまう。
- 自分ではなんとか朝型へしようと朝早く起きてみても、朝早く起きると身体が重だるく、無理して起きていると気分が悪くなってしまう。
というのが付随するお悩みです。
自分では朝型にしたいのに、中々実現できない為、テレビなどで「朝型生活にすれば、体調が良くなる。」といったフレーズを聞くと、落ち込んでしまうんだそうです。
同じようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
「朝型にしたいのに、どうしても起きられない」
最近では、朝型と夜型は遺伝子で決まっている事が分かっていて、遺伝的に夜型の方の場合は、朝型にするのは難しいかもしれません。
でも、生活習慣の中で徐々に夜型になってしまったのであれば、朝型へ戻す事は可能です。
でも、そこには知っておいた方が良い知識が3つあります。
それは…
1.人間の体内リズムは24時間より長い
私たちの身体のリズムは1日のリズムより少しだけ長いのですが、朝日を浴びたり決められた時刻に生活を送る事によって、24時間のリズムへリセットしてるんです。
夜起きて日中あまり太陽を浴びなかったり、不規則な生活をしていると、外から全く刺激を受けないと徐々に後ろへずれていき、徐々に夜型になってしまいます。
2.体温のリズムが、睡眠のリズムに強く影響する
私たちは、体温が上がっていくと覚醒度も高まり、体温が下がっていく時に眠くなっていきます。1日の内で1番体温が高い時間帯は19〜20時頃で、その時間帯から徐々に体温は下がり始めて深夜の2~3時頃が一番低くなります。
1日の内に1℃ほど上下するので、このリズムが乱れてしまうと、睡眠の乱れにも繋がっていきます。
深夜帯から体温が上がっていくにつれて覚醒度も高まり、朝になって目が覚めるというリズムが生まれます。
3.夜型の生活は、体温リズムも乱れさせてしまう
夜型の生活を続けていると、この体温のリズムも徐々に後ろへずれていってしまいます。
慢性的に夜型の生活になる
↓
体温リズムが後ろへずれる
↓
体温リズムの影響で、夜眠たくなる時間も朝起きる時間も遅くなる
↓
寝たい時間帯に眠れなくなり、起きたい時間帯に起きられなくなる
といった悪循環が生まれてしまいます。
朝型の人の体温が平均で午前3時50分に上昇し始めるのに対して、夜型の人の体温が上昇し始めるのは午前6時頃と言われています。
その為、この体温リズムがずれている人が急に朝型へ戻そうとするとどうなるかというと、
- 夜になっても体温が下がらない為、中々眠れない
- 朝早めに起きようとしても、体温が上がりきっていない為、頭も働かないし身体も重だるい
といった状態になってしまいます。
ご相談いただいた方も、同じような症状でお悩みでした。
体温リズムも夜型になってしまっていると、朝型の生活をしたいと思っても、すぐには朝型へ戻せなくなってしまいます。
少しずつ身体を慣れさせていく事が大切で、その方法としては…
- 最初は15分ずつ、今より早い時間に起きる
- それを1〜2週間ほど続ける
- 身体が慣れてきたら、また15分早く起きる
- 理想の起床時間に起きられるようになるまで、1〜3を繰り返す
といった生活習慣の改善が必要になっていきます。
もちろん、時間帯をずらすだけでなく、日中の過ごし方や夜の寝つきを改善させる事も重要になっていきます。
夜型の人が朝型になるには、時間がかかります。
それがどれ位かかるかは、どの程度の期間夜型だったかや、体質も影響します。
ただし、ここで勘違いして欲しくないのは、朝早く起きて体調が優れないからと言って、「あぁ、やっぱり私の身体には夜活動するのが合っているんだ…。」と自分自身を夜型の遺伝子を持った人間とすぐに答えを出してしまわない事。
あなたが夜型の理由には、体温リズムがずれている可能性があります。
今まで、夜型の生活をしていた時期がなかったかどうかを、振り返ってみてください。
最初は大変かもしれませんが、もしあなたが、
「朝型にしたいのに、身体が言う事を聞かない…。」
というお悩みをお持ちなら、この体温リズムの調整を参考にしてみてください。