うつ病の新たな治療法rTMS、保険適用へ

あなたは、うつ病の治療法の一つ、rTMSというものをご存知ですか?

日本語だと、反復経頭蓋磁気刺激と言われているもので、外部から脳の一部分へ磁気刺激を与えて、うつ病を改善しようというものです。

rTMSとは?

うつ病には、脳にあるドーパミンと呼ばれている神経伝達物質の分泌低下が関与していると考えられている為(その真偽はまた別として)、磁場の働きで発生した渦の電流を脳の内部まで到達させてドーパミンを分泌する脳神経の細胞を刺激する事で、脳内のドーパミン量を増やそうというもの。

このrTMN、元々は脳卒中などの後遺症で苦しむ方への神経リハビリテーションの一環として行われてきた治療法でしたが、アメリカでは2008年からうつ病の治療としても行われ始めていて、薬物療法でも大きな効果の出ない人たちへ新たな治療法として注目されています。

日本では保険適用外の為、治療費がかなり高くなってしまう事から中々広まることが出来ませんでしたが、今年の9月に厚生労働省から薬事認可を受けて、来年2018年には保険適用し受けられる事が確定しました。

現在、うつ病の主な治療法は薬物療法ですが、30~50%の人には効果がみられないorあまりみられない事が分かっている為、薬物治療でも中々思ったような効果のない方や副作用が強い方、薬を中々やめられない方への、新たな選択肢の一つとして位置付けられていきそうです。

 

rTMNの治療概要、メリットデメリット、効果は…

rTMSの治療方法概要

・週に5回の通院が必須
・治療時間は1回で40分程度
・治療期間は通常は4〜6週間程度

 

rTMSのメリット

・非侵襲的(身体の外から刺激を入れるだけ)
・副作用が限局的(※)
・保険が使える

 

rTMSのデメリット

・週に5日の通院が必須
・人工内耳やペースメーカーの金属類があると受けられない
・新しい治療法なだけに、まだ未知の部分がある

 

rTMSの治療効果

約30〜40%の人が「寛解」となり、その内の約60%が治療効果が持続し、30%程度は再発。

 

(※)副作用が限局的というのは、頭への刺激でチクチクした頭痛が起きてしまうのと、稀にですが痙攣発作が起きてしまう事があるようです。

現在、この治療を受けるとなると週に5回の通院を数週間行わなくては行けない為、仕事をしながら行うのは人によっては難しいかもしれませんが、技術が進んで通院回数が減っていく可能性も期待出来ますし、何よりも今まで保険適用の治療法が薬物療法しかなかったのに対し、新たな選択肢が生まれたというのが大きいと思います。

賛否は出てくるかもしれませんが、うつ病で苦しむ人を、一人でも多く救える治療法になってくれたらと思います。

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