睡眠のノセボ効果について
こんばんは。
そらのいろ鍼灸院の正木です。
当院では不眠症や自律神経でお悩みの方へ、鍼灸施術を行なっております。
今日は、「睡眠のノセボ効果について」というテーマでお話したいと思います。
ノセボ効果について
当院にいらっしゃる患者さんで、
「眠るための準備をすればするほど、眠れない。」
という仰っている方がいらっしゃいました。
その方のお悩みは、寝つきの悪さだったのですが、
- 快眠グッズ
- アロマ
- 入浴剤
- 寝る前はスマホ・テレビ禁止
- ヨガ・運動
- ホットミルク
- ストレッチ
- サプリメント
など、睡眠に良いと言われているものをとにかく取り入れて努力をされていましたが、寝つきが良くなる事はほとんどありませんでした。
お話を伺っていて、すぐに原因がわかりました。
その方は、良く眠れる準備を入念にした後、「これで今日は眠れるはず…!」と意気込んでベッドに入っていたのです。
もしかしたら、あなたにも同じような経験があるかもしれません。
これは、ノセボ効果というものが働いている可能性があります。
ノセボ効果って??
あなたは、プラセボという言葉は聞いた事がありますか?
たとえ偽物の薬を飲ませたとしても、本人がそれを知らなければ何らかの改善がみられる現象の事を言います。
ノセボは、プラセボの反対です。
「これは〇〇という副作用があるお薬です。」と言って飲まされると、副作用のないお薬であっても言われた通りの症状が出てしまう事を言います。
たとえ病気でなくても、思い込みによって症状が出現してしまうのです。
意識をすればするほど、不眠に陥りやすくなる
アメリカの大学で、こんな研究が行われました。
- 不眠に悩む学生を募り、全ての学生に中身の同じプラセボ錠剤を渡す
- 錠剤を渡す際に、ある学生には「これは、目を覚ます効果のある薬だよ。」と伝え、また別の学生には「これは、リラックス効果のある薬だよ。」と伝えます。
- 渡す時の声掛けを変えると、どのような違いが出るかをみる
という研究です。
すると、こんな不思議な結果が出ました。
「リラックス効果のある薬だよ。」と言われた学生たちの方が、寝付くまでに時間がかかった
です。
なぜこのような事が起きたのか。答えは簡単で、
「目を覚ます」薬を飲んだ学生は、「眠れないのは薬のせいなんだから当たり前。」と開き直る事が出来た為、眠りにつきやすくなった。
一方、「リラックスさせる」薬を飲んだ学生たちは、「薬を飲んだから、今日は眠れるはず。」と体に力が入ってしまい緊張状態が続いて目が覚めてしまい、「薬を飲んでいるのに眠れない。きっと身体がものすごく悪い状態に違いない。」と悩んでしまい、眠るのがどんどん難しくなっていった。
という事です。
不眠に悩む人は、眠れないのは何か原因があるはずだと考え、その原因を特定しようとして感情が刺激されて興奮状態となり、眠れなくなるというパラドックスがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
薬を始め、快眠グッズなど全てに共通して言える事ですが、それをしたからと言って、必ずしも眠れるというわけではありません。
「ここまでしてるのにどうして眠れないの?よっぽど重症なのかな…?」と思い悩んでしまうと、ますます眠れなくなってしまいます。
より良い睡眠の為の準備をする事は、決して悪い事ではありません。
- 快眠グッズ
- アロマ
- 入浴剤
- 寝る前はスマホ・テレビ禁止
- ヨガ・運動
- ホットミルク
- ストレッチ
- サプリメント
などを生活習慣に取り入れる事によって、心地よい睡眠を手に入れている方はたくさんいらっしゃいます。
ですが、いくら睡眠に良いと言われている事でも、普段していない事を急にして「これで今日は眠れるはず…!」と睡眠に意識を向け過ぎてしまうと、却って眠れなくなってしまう事もあります。
「自分に合ったリラックス方法でも、効果が出るには時間が必要」
と捉えておけば、焦らずに向き合えると思います。
「ノウハウを使う事は決して悪い事ではないが、その時はノセボ効果にどうかお気をつけください。」
というお話でした。
あなたの寝つきの悪さを改善させるヒントになれれば嬉しいです。
応援しております。