東洋医学からみた、5つの動悸
こんにちは。
そらのいろ鍼灸院の正木です。
当院では、不眠症や自律神経失調症でお悩みの方へ、鍼灸施術を行なっております。
今回は、「東洋医学からみた、5つの動悸のタイプ」についてご説明したいと思います。
動悸は5つに分けられる
- 「夜、寝る前になると動悸が気になる。」
- 「途中で目が覚めると、動悸がしてくる。」
- 「動悸が気になって眠れない。」
なんて悩みがあると、毎日不安で夜が怖いですよね。
こういった方の場合、昼寝をする時はあまり動悸は気にならなくて、夕方以降に症状が出る事が多いです。
予期不安で、意識が心臓に言ってちょっとした鼓動も気になってしまうという事もあるかもしれません。
今回は、そういったタイプの動悸を、中医学ではどう診るのかのお話をしたいと思います。
中医学から診た時に、動悸のタイプはいくつかあります。
代表的なものとして
- 血の不足
- 血行不良タイプ
- 熱タイプ
- 常にオドオドタイプ
- 冷えタイプ
の5つです。
それぞれ、解説をしていきます。
①血の不足タイプ
臓器って、血液で栄養されていますよね。
血液の供給量が減ると、当然臓器の働きも弱くなります。
中医学では、臓腑はそれぞれの働きだけでなく感情とも密接な繋がりを持っています。
栄養が取れず血が作られなかったり、長引く思い悩み(血は主に脾で作られていて、脾の機能は長引く思い悩みで弱まってしまう)で血が不足して、心を栄養出来なくなると、精神的に不安定となったり、動悸が起きたりします。
血不足で起きる動悸の特徴
②血行不良タイプ
冷えや運動不足、イライラなどで血の巡りが悪くなり、心が血に栄養されなくなった事により起こります。
時に痛みを伴う動悸があります。
血行不良タイプの動悸の特徴
③熱タイプ
熱タイプは2つあります。
一つは体内で熱が強くなって起きるもの(痰火擾心・たんかじょうしん)と、冷やしたり潤す力が弱くなった事で相対的に熱っぽくなり起こるもの(陰虚火旺・いんきょかおう)です。
⑴痰火擾心
脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものなどの食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎにより、胃腸機能が停滞してしまうと、余計な水分(痰)が生まれ、それが滞る事で身体に熱(痰熱)が生じてしまい、その痰熱が心に影響すると、動悸が起こります。
不安感や胸に熱を感じる、口が苦い、食事やアルコールで悪化、痰が良く出るなどの特徴があります。
⑵陰虚火旺
慢性病や過度の疲労など、慢性的な夜更かしや夜勤などは、身体の陰を消耗します。陰は身体を潤したり冷やしたりする為、その陰が減った事で相対的に体が熱化してその熱が心に影響すると、動悸が起こります。
冷えのぼせが、手の平や足の裏や胸の火照り、寝汗、喉の乾きなどを伴います。
④オドオドタイプ
動悸は、心臓に何かしらの原因があり起こると考えられていますが、中医学では心と身体は密接に結びついていると考える為、精神的にショックな事や驚く事が原因で起こる動悸もあります。
昔から、「胆っ玉」という言葉がありますが、この胆がすわっていないと、人はちょっとした事でビクッとしたり、オドオドしたり物事が中々決められない優柔不断になってしまいます。
この精神状態が心にまで影響してくると、動悸が起こります。
精神的にショックな事が起きると、動悸だけでなく自制できないほどの不安感も現れます。
進行すると、ちょっと驚くような事が起きた場合でも、動悸が止まらなくなってしまいます。
このような状態を、東洋医学では「心胆気虚(しんたんききょ)」と言います。
オドオドタイプの動悸の特徴
⑤冷えタイプ
体を冷やす生活習慣や大きな病気で体力が著しく消耗されると、身体を温められなくなると、その冷えが心に影響し動悸が起こります。
冷えで起きる動悸の特徴
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一言で動悸と言っても、色々なタイプがありますよね。
それぞれのタイプが単独で起きる場合もあれば、複雑に絡み合って起こる場合もあります。
動悸は深刻な病気が隠されている事もあるので、長引く動悸は検査をしてもらう事も大切です。
今回は動悸のタイプの紹介だけになってしまいましたが、明日からはそれぞれのタイプについてセルフケアも含めた詳細をお伝えしていきます。