東洋医学から見た、ストレスと頭痛の関係
おはようございます。
そらのいろ鍼灸院の正木です。
当院では、不眠や自律神経の乱れでお悩みの方に向けた鍼灸施術を行なっています。
今日は、「東洋医学から見た、ストレスと頭痛の関係」というテーマでお話したいと思います。
ストレスは万病の元
現代医学では、仕事中や考え事をしている時に出てくる頭痛はストレスが原因と言われていますよね。
病院で検査をしてもらっても原因がわからない場合、ほとんどの場合ストレスが原因と言われる事がほとんどだと思います。
今回は、なぜ頭が痛くなるのか?を東洋医学からみて解説していきたいと思います。
ストレス=気滞(きたい)
ストレスは東洋医学では気滞(きたい)と言います。
「気の滞り」です。
気とは、全身を流れているエネルギーで、このエネルギーが何らかの原因で滞ったものを気滞と言います。
気が滞るほとんどの原因がストレスなので、東洋医学ではストレス=気滞と呼んでいます。
なぜストレスが原因で気が滞るかというと、ここで臓腑が関係してきます。
「五臓六腑」という言葉を聞いた事があると思います。
内臓を表した言葉ですね。
この「五臓」は、「肝・心・脾・肺・腎」の事を指します。
東洋医学では、この五臓を物質的な臓器としてではなく、1つ1つに特徴や感情があると考えられています。
例えば、こんな感じです。
- 肝 感情は怒り。木に属し、色は青。筋肉を司り、全身の気機を調整する。消化の促進を促し、胆汁の分泌を調整する。男子の排精・女子の排卵・月経発来の促進をする。
- 心 感情は喜び。火に属し、色は赤。血液の流れを司り、精神活動や意識と深い結びつきがある。
- 脾 感情は思い悩み。土に属し、色は黄色。肌肉を司っている。消化・吸収を促進し、吸収した水分を上部へ持ち上げる。血液が血管外に漏れ出ないように防いでいる。
- 肺 感情は悲しみ。金に属し、色は白。皮膚を司り、呼吸により取りいれた外の気を、全身に流す働きを持っている。脾で持ち上げられた水分を全身へ流す。気・血液・水分の流れの調整をしている。
- 腎 感情は恐れ。水に属し、色は黒。骨を司り、発育と生殖に深い関わりがある。体温(火と水)の調整をしている。
などです。
今回のストレスに関わってくる臓は、「肝」です。
肝は気の流れを調整しています。
肝は、自然界で言うと、木にあたります。
皆さんご存知の通り、木は水や光などのエネルギーを与えられると、表面に芽が出て、下にも上にもどんどん成長していきますよね。それとは逆に、上から押し付けられるような状態(上下四方を囲まれたような状態)ではうまく育ちません。
肝も一緒です。のびのびとした状態を好み、押し付けられる状態を嫌うのが肝の特徴です。
気の流れを調整しているのは、主に肝
そして、気の流れを調整しているのも、肝の働きの1つです。
肝が押さえつけられて調子が狂うと、この気の流れの調整がうまくいかずに、どんどん滞っていきます。
これが、ストレスがたまる→肝の機能が落ちる→気の流れが悪くなる→気滞が起きる
の流れです。
なぜ、頭部に症状が出るのか?
頭部に症状が出る原因は2つあります。
- 気の流れが詰まって進めないので、下れずに上へ逆行する(気逆)
- 熱化する
東洋医学では、「滞りは熱を生む」と考えられています。
物が溜まると熱化して発火する現象を見た昔の人は、体でも同じ事が起きると考えたんですね。
こういった考え方により、ストレスが原因で起きる症状は上半身に出ると考えられています。
頭痛だけでなく、肩こりや首の痛み、顎周りの緊張なんかも、ストレスによるものと捉えています。
当院でも、ストレスが原因で起こる様々な症状に対する鍼施術を行なっています。
今日はご自身で出来るツボ押しを1つだけ紹介します。
ストレス(気滞)を流す時に使うツボ
それがこのツボ、間使(かんし)です。
腕の手首と肘の間、掌側にあります。手首のシワの真ん中から、指4本分の所に取ります。
このツボを痛気持ち良い程度の強さで押しながら、ゆっくりと深呼吸をします。
この深呼吸がとても大切で、気は呼吸とともに全身を巡っていく為、気の流れを整えるツボを押しながら呼吸をする事で、気の流れがよりスムーズになっていきます。
間使は肝の経絡に属するツボではありませんが、気の流れを促進する効果の高いツボです。
他にも、臨床では熱があるのかやその他の症状を聞きながら、ツボを決めていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は解説メインになってしまって読みづらかったかもしれません。
「ストレスが溜まった時は、腕のツボ(間使)を押しながら深呼吸」だけでも覚えておいてもらえたら良いかと思います^^;
あなたの辛い症状が少しでも楽になるよう、お役に立てたら嬉しいです。