不安や恐怖を克服するには
あなたは、こんな時に不安感や恐怖心を感じる事ってありませんか?
- 目を閉じている時
- 電車の中にいる時
- 密閉された空間にいる
特定の状況でなくても、そういった不安感の波に襲われる事もあると思います。
そんな時、あなたはどんな風に対処していますか?
目次
不安を感じるのは当たり前の事
僕たち人間も含めて、自然界にいる生き物は目の前に「脅威」となるモノが現れた時、不安や恐怖を感じるように出来ています。
不安や恐怖がないと、自分の命を奪うかもしれない相手からの脅威を回避出来ずに、死んでしまうからです。
不安感や恐怖心がある生物が、結果的に生命を長引かせる事が出来るんです。
生命にとってなくてはならない反応と言えます。
不安感や恐怖心が生まれるメカニズム
私たちに不安や恐怖を感じさせてくれる部分を、脳の中の扁桃体と呼びます。
自分にとっての「脅威」が目の前に出現すると、扁桃体が反応して、身体に相手と戦ったり逃げたりする為の反応が身体に出ます。
- 瞳孔を光らせる
- 心拍数を上げる
- 掌、足の裏に汗をかかせる
などは脅威を目の前にした時の身体の反応です。
電車に乗ると動悸がしたり汗をかいたり、不安感に襲われてしまうのは、脳の中でその状況を「脅威」と捉えてしまっているからです。
ここは少し問題ですよね。
どれだけ密閉された空間にいようとも
長い間電車に乗ろうとも
それが原因で死ぬ訳ではないのに、それを脅威と勘違いしてしまっているのですから。
この脅威は、実際には命に危険のないものに関わらず過去の記憶からそれを恐怖であると認識してしまう場合があります。例えばあなたが
- 電車の中で倒れた人を見た経験がある
- 息苦しそうに呼吸をしている人を見た事がある
- そういった経験を人から聞いた事がある
などがあると、過去の記憶として頭の中に刻まれて、恐怖と結びついてしまう事があります。
不安感が出てしまったらどうするか?
「脳の誤作動であっても、不安を感じるのは止められないし、じゃあどうするの?」
という事ですが、
そこで出番となるのが、同じく脳の前頭前皮質です。
前頭前皮質は、目の前の脅威を論理的に分析・判断する部分です。
今までの過去の経験から、その脅威が自分にとって「どれだけの脅威か」や「どう回避すれば逃れられるか?」を分析します。
この前頭前皮質の働きを利用して、目の前の脅威からどうやったら自身を守れるかを訓練していきます。
脅威と感じるものを、細かくパーツ分けする
①まずは、自分が何を脅威と感じるかを確認
・電車に乗る事自体が恐怖か
・電車に乗る事自体は問題ないが、待ち合わせ等をしていて万が一体調を崩して誰かに迷惑をかけてしまうかもという不安
・一人で電車に乗る事が不安か(誰かと一緒であれば大丈夫か)
・実際に体調が悪くなる事は少ないが、「なるかも?」という不安
とみていって、
②次に、自分の体の反応を確認
・動悸が出る
・呼吸が苦しくなる
・めまいのようなふらつく感じがある
等です。
これらの症状の強さとバランスがどれくらいかも把握しておくと、より良いです。
これらは文字で書いてみると自分がどういったものを脅威と感じていて、どういった症状が出るかがより明確になるので分かりやすいと思います。
③症状が出たら、まずは深呼吸
症状が出ても、その症状に焦点を当てずに、深く呼吸を繰り返します。
空気が鼻から入って肺を満たして全身に巡って、また鼻から出て行く流れに意識を集中します。
不安感や恐怖心によって出てきた動悸や息苦しさの症状を抑え込むのは難しいですが、不安感や恐怖心を減らす事が出来れば、症状は自ずと和らいでいきます。
扁桃体と前頭前皮質のバランスが大切
この方法は、扁桃体の反応を無理やり抑え込むのではなく扁桃体と前頭前皮質のバランスを保つ為のスキルの一つです。
①〜③までのステップが無意識の状態で行えるようになると、自然と症状が体に与える影響を減らしていく事が出来ます。
ですが、実際に症状の大波に飲み込まれていると、そんな発想を持ち出す事はほとんど不可能です。
なのでまずは、頭のどこかで「この症状が原因で死にはしない」「この状況はこの先一生涯続くわけはない」くらいには思えれば良いと思います。
症状が出る度にそう思えて乗り越えていければ、その経験が糧となって症状が出た時の不安感や恐怖感、予期不安も少なくなっていけると思います。
いきなり完璧な状態を目指すのではなく、細かいゴール設定を決めて、ゴール一つ一つを乗り越えていくことが大切です。
但し、これをする事はメリットばかりだけでなく、その都度自分自身と向き合わなければいけないというデメリットもあります。
あなたが薬で症状を抑えるのを習慣にしている場合、中々最初の一歩を踏み込めないかもしれません。
辛い思いをするのをわかっていてそこに飛び込める人は中々いらっしゃらないと思いますし、「それをする位なら薬を飲み続ける」という選択をする人も多いと思うからです。
どちらが良い悪いではないので、ご自身がどうしたいのかを決める事が大事。
自分で決める事が大切
どんなにテクニックや薬や科学技術を駆使しても、責任感がなければ「これは私には合わない」「元々人に言われただけだし」と言い訳や自己正当化をしてやめてしまいます。
「自分で決めたから」
という気持ちを忘れずに臨んでみてください。
正木先生、ご無沙汰しております。
いきなりの質問で申し訳ありません。
m(。v_v。)m
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