ストレスはなくなったのに、眠れない?
あなたは、
「ストレスはなくなったのに、なぜかまだ眠れないまま…。」
という事はありませんか?
仕事や部署を変えたのに、眠れないまま
前みたいなイライラを感じる事は減ったけど、落ち込みやすくなった
動悸や不安感なんかも出てきた
もうストレスを感じてはいないのに、こういった状態になると不安になりますよね。
でも、東洋医学からみると、簡単に説明が出来ます。
今回は、そんな症状をお持ちの方に東洋医学から見た原因と治療方法をお伝えします。
ストレスは消えたのに眠れなくなる2つの理由
理由1.気と血が不足してしまう
過度のストレスに晒されると、主に怒りの感情にとらわれてしまう事が多いですが、
その怒りの感情が引いてくると、その出来事が原因で、過度に悩み始めたりしてしまいます。
全身のエネルギーとなる気血を作る臓腑は「脾」なのですが、この「脾」は、思い悩みが長く続くと、弱ってしまうという特徴を持っています。
もうストレスはないのにその事でずっと悩んでいると徐々に脾の働きが弱ってしまいます。
その結果、精神活動を司っている「心」の気血が不足してしまい、精神的に不安定となり不眠になってしまいます。
長引く思い悩み ↓ 「脾」が弱る ↓ 気血が作られなくなる ↓ 「心」の気血も不足し、 ↓ 眠れなくなる
精神的に不安定になる
という感じです。
この状態を心脾両虚と言います。
「心」と「脾」の機能が弱まった(虚した)状態を表します。
理由2.「胆」の気が弱まる
この「胆」の気が弱まるとは、ストレスが精神的なショックとなり、一気に不安定になってしまう状態です。
昔から、何事にも動じない人を「胆っ玉がすわっている」などと表現しますよね。
この「胆」とは、心の安定性を支えている臓です。
この胆がストレスにより弱ってしまい、精神的に不安定になってしまいます。
否定的な言葉や状況が精神的ショックとなり、その状況が去った後でもそのショックが消えずにずっと精神的に不安定となってしまう状態です。
強いショック ↓ 「胆」が弱る ↓ 「心」に影響し、 精神的に不安定になる ↓ 眠れなくなる
という状態です。
この状態を心胆気虚と言います。
それぞれの対処法
心脾両虚の場合
心脾両虚の特徴として、食後にすぐ眠くなったり、少し食べただけでお腹が張る、顔色が悪く艶がない、めまい、弱い動悸がある、などがあります。
養生法
「気血」を補う事で症状が改善されます。
おすすめの食材:レバー、なつめ、プルーン、くるみ、アサリ・イカ・ホタテ・マグロなどの魚類、やまいも・にんじん・ほうれん草・小松菜など
を、良く噛んで、時間をかけて食べるようにしてみてください。
おすすめのツボ
1.神門
手首のシワの上にあり、小指側の手首の凹んだ所に取ります。
心を安定させる効果があります。
2.三陰交
脚の内くるぶしから指4本(人差し指〜小指)上にあります。
すねの骨と筋肉の間に取ります。
脾の機能を高める効果があります。
心胆気虚の場合
心胆気虚のその他の症状として、優柔不断、驚きやすい、不安が強い、精神的に落ち着かない、普段はなんともないのに特定の場所や人で症状が出る、眠れない、夢を多く見るなどの症状を伴います。
養生法
「心」と「胆」の気を補う事で症状が改善していきます。
このタイプの場合、強い音や光、精神刺激などはなるべく避け、穏やかに過ごす事が大切です。
おすすめの食材:小麦、とうもろこし、やまいも、きのこ類、ごま、サケ、ブリ、鶏肉など
おすすめのツボ
1.神門
手首のシワの上にあり、小指側の手首の凹んだ所に取ります。
心を安定させる効果があります。
2.丘墟
足の外くるぶしの斜め下前部分に取ります。
胆の気を強める効果があります。
これらのツボを、心地よいと感じる程度の強さで自分の指で押してみてください。
まとめ
如何でしたでしょうか?
ストレスがきっかけとなり、気血が不足して起きる不眠や精神的ショックが続いて起きる不眠、現代医学では全て同じ不眠ですが、東洋医学から見るとはっきりと分けて考える事が出来ます。
あなたのお悩みの不眠を解決するきっかけになれたらと思います。