平日の睡眠不足は、週末に取り戻せるって本当?

 

あなたは、

「仕事のある平日は睡眠時間を削って、週末にがっつり寝て睡眠不足を解消している」

なんて習慣、ありませんか?

「1日1時間、睡眠時間を削って仕事をして、週5日で合計5時間の睡眠不足は土日で取り戻す」

と一見効率的な生活をしている方もいるかもしれませんが、この「睡眠負債はあとで取り戻せる」というのが単なる思い込みである事がわかってきました。(ペンシルベニア大学と北京大学の共同研究による)

 

睡眠不足で傷ついた脳の一部は、元に戻らない

私たちは睡眠不足になると、

「認知機能」

「注意力」

「意思決定能力」

「対人コミュニケーション能力」

などの能力が低下する事がわかってきています。
(脳が睡眠不足の状態で決定されたいくつかの事項は最善の決定ではない可能性大。)

そして、睡眠不足により低下したこれらの能力のうち、注意力の持続時間や認知能力について言えば、3日間十分な睡眠をとったあとでも正常に戻らない可能性がある事が指摘されています。

さらに記憶の定着のみでなく記憶が操作されやすくなるとも言われていて、認知症との関連性も指摘されるようになってきました。

 

1時間の仕事より、1時間の睡眠を

それとは逆に、運動能力の向上や記憶の定着に睡眠が果たす役割も研究されてきていて、それらの課題が難しければ難しいほど、十分な睡眠を取った後の方が学習効果が大きいことも示唆されています。

また、思い出せなかったことを思い出す確率は、睡眠によって2倍以上も高まる事も分かってきています。

眠気を我慢するためにカフェインや糖分をたくさん取って集中力が続かない脳を無理やり働かせていても、とても効率的な仕事は出来そうにありませんよね。

もしあなたが、より効率的に仕事をしてすっきりした日中を過ごしたいと思っているのなら、1時間多く仕事をするのではなく、1時間多く睡眠を取る事が大切です。

明日のプレゼンを成功させたいと思っているのなら、徹夜して準備するよりもいつもより長く睡眠をとる方がうまくいく可能性が高いかもしれません。

なぜなら、私たちの脳は「重要だとみなした情報を睡眠中に活発に反復している」と言われているからです。

東洋医学でも、睡眠と覚醒は陰と陽の関係にあって、切っても切り離せない関係と考えられています。

陰と陽は、「陰があるからこそ陽があり、陰が強ければ陽も強くなる」と言われています。

夜があるから昼間があるのと同じで、日中にしっかりと頭を働かせたいのなら、夜にしっかり眠る事はとても大切になっていきます。

 

週末の生活では、こんな事に要注意

普段から睡眠不足の方の場合、休日には少しでも長く横になっていたいと思うかもしれませんが、起きる時間が遅くなり過ぎてしまうと、体内時計がずれて夜に眠れなくなってしまい、結局寝不足のまま翌日の仕事を行う事になってしまいかねません。

朝起きる時間を大きくずらす事なく、できれば食事もいつもと同じ時間に取り、天気が良い日は外に出て身体を動かす習慣を身につけてみてください。

休日の過ごし方は

  1. 朝は普段の+2時間程度で起きる
  2. 食事はいつも通り摂る
  3. なるべく身体を動かす意識を持つ
  4. なるべく早めに寝るようなリズムを作る

などをしていただくと、翌日以降の日中のパフォーマンスに良い影響が出ます。

出来るところから、是非試してみてください。

まとめ

「陰があるからこそ陽があり、陰が強ければ陽も強くなる」

とは、その逆もまたしかりです。

日中にしっかり活動してこそ、夜に質の高い睡眠を得る事が出来ます。

生活習慣を急に変えると却ってストレスや体調不良の原因となってしまうかもしれませんので、ゆっくり整えるようにしてみてください。

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