睡眠薬と睡眠導入剤の違いって??
あなたは、寝付けない時に睡眠導入剤を飲んだ事がありますか?
心療内科や、かかりつけの医師に眠れない事を伝えると、必ずと言って良いほど睡眠導入剤を処方してもらえます。
睡眠薬と睡眠導入剤はどう違うか、ご存知でしょうか?
今回は、その違いやそれぞれの意味合いの解説をしたいと思います。
目次
睡眠薬と睡眠導入剤、実は同じもの?
先に答えを言ってしまうと、両者に大きな違いはありません。
正確には、作用時間や処方のされかたに違いがあるだけで、身体に与える影響はほぼ同じです。
それぞれの特徴をまとめると…
睡眠薬と睡眠導入剤の違い① 作用時間
・吸収と代謝が早い
・効果発現までの時間と作用が短い
・血漿中濃度消失半減期が短い
超短時間作用型(約2〜4時間)
- トリアゾラム(ハルシオン)
- ゾルピデム(マイスリー)
- ゾピクロン(アモバン)
- エスゾピクロン(ルネスタ)
短時間作用型(約6〜10時間)
- ブロチゾラム(レンドルミン)
- ロルメタゼパム(エバミール・ロラメット)
- ハロキサゾラム(ソメリン)
- リルマザホン(リスミー)
・吸収と代謝が遅い
・効果発現が遅く、作用時間が長い
・血漿中濃度消失半減期が長い
中時間作用型(約20〜30時間作用型)
- フルニトラゼパム(サイレース・ロヒプノール)
- ニトラゼパム(ベンザリン)
- エスタゾラム(ユーロジン)
超時間作用型(30時間以上)
- クアゼパム(ダルメート)
- フルラゼパム(ドラール)
✳︎血漿中濃度消失半減期とは、薬の成分が血液から半分程度に減るまでにかかる時間を言います。
睡眠薬と睡眠導入剤の違い② 処方のされ方
基本的には、寝つきの悪い人には睡眠導入剤が処方され、寝つきは良いけど途中で目覚めたり熟眠感が乏しい人には睡眠薬が処方されます。
寝つきも悪いし、眠れても途中で目が覚めてしまったり熟眠感がない人には、睡眠導入剤も睡眠薬も処方されるケースもあります。
睡眠薬と睡眠導入剤の違い③ 睡眠導入剤は、依存形成が早い
睡眠導入剤の特徴である
- 吸収と代謝が早い
- 効果発現までの時間と作用が短い
- 血漿中濃度消失半減期が短い
というのは、脳の中の神経伝達物質の濃度が急に上がって急に下がるという事なので、その分依存する可能性も高まりやすいと言われています。
睡眠導入剤は、
- 睡眠障害を訴えるだけで、医療機関なら気軽に処方してもらえる
- 飲みやすいイメージがある(心理的抵抗が少ない)
- 「ずっと飲み続けても大丈夫」と思われている
- 効果を感じる人が多い
といったイメージがあります。
睡眠薬も睡眠導入剤も、身体に与える影響は同じです。
ですが、睡眠導入剤の方が身体に負担の軽いものと思われがちです。
作用時間は短いですが、その分依存の形成は早くなります。
睡眠導入剤を飲んで寝ているという方は、飲み方をご自身で考えて、上手に飲むようにされてください。
基本は、一つの症状に一つの処方薬(単剤投与)
もしあなたが、睡眠の処方薬として2種類以上の薬が処方されている方は、医師に根拠の確認をしてみてください。
よっぽどの睡眠障害でない限り、最初から複数の睡眠薬や睡眠導入剤を処方される事は少ないです。
ご自身が飲まれているお薬の種類や作用時間を、ご自身で調べていただいて、もし分からなかったら主治医へ確認していただくことをおすすめします。
まとめ
如何でしたでしょうか。
睡眠薬と睡眠導入剤を飲まれると決意されたのであれば、それぞれの名前が持つイメージだけでなく、どういった特徴と違いがあるのかを知った上で、服用していただければと思います。
あなたの睡眠障害を少しでも緩和出来るお手伝いが出来れば嬉しいです。