「 寝付けない…。」睡眠薬はいつ飲むべき?
ご来院されている方から、睡眠薬の飲むタイミングを聞かれる事がよくあります。
「食後が良いのか?」
「眠気が出てくるまで待った方が良い?」
「寝る数時間前には飲んでいた方が良いの?」
と迷ってしまいますよね。
主治医から処方はされたけど、いつ飲むべきか確認せずに帰宅してしまうなんて事、あると思います。
そんな時にどうすれば良いのかの解説をしていきたいと思います。
今回は薬のお話なので、鍼灸師である僕が口を挟める範囲からは逸脱しています。
今回の内容は『睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン』及び製薬会社が公表している添付文書の内容を参考にお伝えしようと思います。
※ただし、薬や主治医によって見解が変わる場合もあるので、個別で確認したい場合は、必ず処方された主治医へ直接確認してください。
睡眠薬を飲むべきタイミングは?
それでは、まず最初に薬を飲むべきタイミングです。
先に答えを言ってしまうと、睡眠薬を飲むのは
「ベッドに入る直前」
です。
正しくは、「睡眠薬を飲んだらすぐにベッドに入って寝ましょう 」と睡眠薬の注意書きには書かれています。
全然難しくないですよね。
それよりも、睡眠薬はいつ飲んではいけないかの方が何倍も重要になってきます。
かなり注意が必要なので、しっかりと読んでいってください。
睡眠薬を飲むべきでない時とは
①夕食後
他のお薬と同じように、食後に飲まれている方もいるかもしれませんが、食後に飲むのはあまり良いとは言われていません。
胃の内容物と一緒に消化・吸収されてしまう為、薬の効果が強く出てしまい、効き過ぎてしまう可能性があるからです。
タイミングによっては血中濃度が空腹時の2〜3倍まで高まる事もあると報告されています。
ただし、例外もあって血中濃度に変化がない場合や血中濃度が下がってしまうものもあるようです。
どちらにしても、食事との併用は避けて服用した方が良さそうです。
②眠気が出たら
きちんとした睡眠のリズムを作る為にも、その時に眠気が出ていない場合でも、なるべく決まったタイミングで飲むようにしてください。
眠気が出るのを待っていたら、深夜までかかるかもしれないので、睡眠のリズムが中々整わなくなってしまいます。
また、これは逆説的ですが、そもそも睡眠薬は眠気が出ない人に対して処方されるお薬ですので、眠気が自然と出てくるようであれば、飲まずに様子を見ても良いかもしれません。
不眠症状がそこまで強くない方で服用している睡眠薬が少量である場合、必ずしも処方されたお薬も毎日飲む必要はないとされています。
ただし、自分の睡眠薬が強いか弱いかはご自身では分からないと思うので、この点もあらかじめ主治医に確認してみてください。
③寝る数時間前
寝る予定の数時間前に余裕を持って早めに睡眠薬を飲むという方もいるかもしれませんね。
でも、実はこれも禁忌とされています。睡眠薬には、身体を脱力させる効果もある為、ふらついたり転倒したりするリスクが出てきます。
また、睡眠薬服用後から記憶がなくなる危険性があるという報告されているんです。
その為、睡眠薬服用後の転倒や記憶がなくなるといったリスクを避ける為にも、服用後は速やかに横になる必要があります。
一番安全で効果的なタイミングは分かっていない
ここまで解説をしてきましたが、実際には、睡眠薬を何時頃服用すれば一番効果的で安全性が高いかという検証はされていません。
ですが、全ての睡眠薬の添付文書には、用法・用量に関連する使用上の注意欄に、「就寝の直前に服用させる事」と記されています。
薬には、良い面もあれば悪い面も必ずあります。
鍼灸師の僕がこんな事を言える立場ではないのかもしれませんが、不眠以外の症状で悩まない為にも、飲むべきでないタイミングをしっかり守って服用してもらえたらと思います。
また、繰り返しになりますが、服薬の注意に関しては必ず主治医の指示に従って飲むようにしてください。
不眠症状や、不眠症状に付随するお悩みを少しでも解決出来るお手伝いが出来たら嬉しいです。