それでも、もしパニック発作が出てしまったら
今回は、前回の続きのような内容です。
前回は、もしあなたに心の準備が出来ていないのなら、無理せずその時が来るのを待つのが良いとお伝えしました。
では、その時が来たとして、何か良い治療方法はないかとインターネットで調べたり知人に聞いたりしたりして自分なりに知識を深めて行動を起こす準備を始めていったとします。
主な治療法として言われているものには、
・薬物療法
・認知行動療法
・鍼灸や漢方などの東洋医学
・整体
・ヨガ
・ピラティス
等があります。
いろんな治療法にはそれぞれ人によって合う合わないがあるのでなんとも言えませんが、最終的に大事になってくるのは「認知行動療法」なのではと個人的には思っています。もしあなたの症状の原因があなたの認知の歪みにある場合、実際に症状が出る状況に身を置いてその歪みを強制していく練習をしないと、根本的な解決には中々繋がらないからです。
もしかしたら、今このブログをお読みのあなたは、徐々に自信を取り戻して既に1人で映画館に行ってみたり、電車に乗られたり何かしらの試みを行ったかもしれません。
当院にいらっしゃる方でも、1回2回の施術でご自身に自信を持つ事が出来て、思い切って1人で電車に乗ってみた。という方もいらっしゃいます。
それでもし発作が起きずにやりたい事をやれたのであれば、もうあなたは症状克服のゴール直前まで来ていると考えてもらっても良いと思います。
ただ、
「思い切って行動を起こしたのにも関わらず、やっぱり発作が出てしまってまた落ち込んでしまった…。」
という方もいらっしゃいます。
というより、最初のうちはこちらのケースの方が圧倒的に多いです。
ただ、もし発作が起きたとしても、気にし過ぎる必要はありません。
何故なら、この認知行動療法は基本的には「発作が出るのは仕方がない。」という前提で治療を行っていく事が多いからです。
①自分が苦手とする行動を起こしてみる
↓
②発作が出てしまう
↓
③どういった場面で症状出たのか?を振り返ってみる
この①②③を繰り返す事で、あなたの症状がどんな時に出て、どんな時に出にくいのかを少しずつ探っていき、改善点を見出していく姿勢が大切です。
そうする事で、漠然とした不安感から抜け出す事が出来るのと、徐々に精神的に少しずつ慣れていく事で症状が出る頻度や長さを減らしていく事が出来ます。
とは言っても、実際に行っている本人としてはかなりの苦痛と恐怖を伴うので、中々足を踏み出せないかもしれません。
本当に辛いと思います。
よく、
「発作が出ても、深呼吸をしてやり過ごしなさい」
「今自分が感じている不安や恐怖はあなたの脳の誤作動です」
なんて言われる事もあるかと思いますが、(それは実際間違いではないのですが、)発作が出ている本人からしてみたら、いくらそう考えようと思っても抗えないのから辛いはずですよね。
しかも、自信満々で電車に乗ったのに症状が出てしまったら、ますますまた試そうという気持ちにはならないかもしれません。
でも、大切なのは「自信満々な気持ちになれた」という部分と、「症状を克服する為に行動を起こせた」という部分。
これは、今までのあなたにはきっとなかった部分だと思います。
この心境の変化と行動の変化に注目してください。
どんなに良い治療法でも、それをしようとする「気持ち」と実際の「行動」がなければ、何の意味もないからです。
もし発作が起きてしまったとしても、大丈夫です。発作が出てしまうのはとても辛くて恐怖ですが、あなたはもうスタートラインに立てています。
少しずつ、無理のない範囲で、あなたのペースで少しずつ繰り返していただけたらと思います。