セルフコンパッションという考え方
あなたは普段、職場で上司や先輩から叱責されたり厳しい言葉を言われたら、過剰に凹んでしまうこと、ありませんか?
さらに同じミスを何度も繰り返してしまうと、「どうしてこんなミスをしてしまったんだろう?」と自分自身が嫌になったり、過剰に責めたり、自信をなくしてしまったりしてしまいますよね。
でも少し考えてみてください。上司や先輩から厳しい言葉を言われているのが、あなたではなくあなたの友人だったら?
同じミスを何度も繰り返しているのがあなたではなく、普段真面目に仕事に取り組んでいる同僚だったら?
ミスはミスとしてしっかり反省しなくてはいけないにしても、「元気付けたい!」と思いますよね?
「友人に対する慈悲の気持ちを、自分自身にも持ってみよう」
というのが、今回お話する「セルフコンパッション」という考え方。
この考え方は、クリスティン・ネフ博士が提唱したもので、主に三つの要素から成り立っています。
1.自分に優しくする (Self-Kindness)
辛い思いをして苦しみ悩んでいる自分に対して、大切な友人へと同じように、優しい気持ちを持って接してみましょう。
「自分の失敗や人としての不十分さは、無くせない。むしろ個性である」という気持ちで自分を見る事が大切。
ストイックに自分に厳しくする事が悪い面ばかりとは言えませんが、現実を認められないと、苛立ちや自己批判ばかりが増えてします。
2. 不完全なのは、自分だけじゃないと認知する (Common humanity)
不完全な自分を人間として当たり前と捉え、辛い経験は自分だけがするものではなく誰もが皆同じような経験をするんだと考えてみる事が大切。なにか失敗をしたりすると、自分を責めて孤独に陥りやすくなります。そんな時、「これは誰もが通る道だ」と捉え直すことで、自分の経験を広い視野で見ることができるようになり、周りにも目を向けることができます。
3. マインドフルネス (Mindfulness)
これはもう何度も出てきていますね。自分の心の痛みに対応するためには、まずはそれを認知する事が前提になってきます。
たとえネガティブなものであっても、自分の感情を抑えようとしたり、無視したり、歪ませたりせずに、ありのままを受け入れる事が大切です。
なんだか、当たり前のことを言っているなあ?という気がしませんか?
そうです。客観的に見たら、いたって当たり前のことなんです。ですがこれが自分自身のこととなると、なかなか実践するのが難しいんですよね…。
ダイエットなんかも、自分を厳しく追い込む人よりも自分に甘い人の方が成功する確率が高く、仕事でも自分に甘い人の方が生産性が高いと言われています。
なんでもそうですが、「自分自身との向き合い方」が上手な人の方がうまくいく事が多いみたいです。
「もっと人生の満足度を上げたい」
「もっと幸せになりたい」
「もっと自分に自信が欲しい」
と思っているのなら、自分を責めてしまうのではなくて、友人にするように、自分にも優しく接してみてください。
いきなりはかなり難しいかもしれませんが、少しずつでも実践していくことが大切です。自分を追い込んでしまうのも自分自身ですし、優しくできるのもまた自分自身ですもんね。